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接待交際費に対する税法について
会計上は、会社の営業に不可欠な費用ですが、税法上では不必要な経費とみなされ、接待交際費に計上した全額を損金とて認めないのが税法の原則になっていて、大変厳しい見方をしています。ただし資本金1億円以下の小規模会社に対してのみ、400万円までの接待交際費に対して90%を損金参入してもよい緩和策が取られていいますが、過度の接待や本来の目的から外れた支出がないように厳しい制限を設けてています。(緩和措置は平成20年3月31日までに開始する事業年度まで)
損金参入とは
「解説」法人税等の算定基準は、法人が一定期間に作り出した所得に税率を掛けて算出しますが、損益計算書の当期利益とは違っています。例えば貸倒引当金や減価償却費は、会計上必要と思われる額を計上して費用としますが、税法では税の公平化を図るために計上できる限度額を決められていて、その限度額を超えて設定した場合は、超えた分を損金とは認めない(損金不参入)事とし所得金額に加算されます。接待交際費も損金不参入が原則となっていて、課税標準額の算出時に資本金1億円以下の会社を除き、接待交際費全額を損金不参入の扱いとなっています。
 小額の接待交際費の控除について
平成18年3月の税制改正により、法人の支出する交際費の損金不参入制度について、「1人当り5000円以下の飲食費は、一定条件下で交際費から除外されました。一定条件を下に連記します。

       ・平成18年4月1日以後開始する事業年度から適用する。
       ・社内飲食費(当該法人の役員若しくは従業員又はこれらの親族に対する飲食費)は除く。
       ・飲食した年月日や参加した者の名前とその関係、参加した者の数、飲食店の名称及び住所を記載した
         書類を保存すること。
       ・飲食その他これに類する行為のために要する費用であること。例えば得意先の行事に差入れた弁当
         などで、差入れ後相応の時間内に飲食されることを想定されるもので、単に飲食物の詰め合わせを贈答
         する行為は中元や歳暮とみなし交際費の対象となります。

その他、国税庁が掲載した小額接待交際費のQ&Aを連記します。

得意先を飲食店へ送迎する費用は?
飲食等のために直接飲食店に対して支払うものではないので、交際費に該当します。

社内飲食であるが得意先が1人でも参加していた場合は?
飲食費のうち「社内飲食費については、1人当り5千円以下であっても交際費の範囲から除かれません。また得意先を形式的に参加させていると認められた場合は、社内飲食費とみなされる場合があります。

ゴルフ、観劇、旅行等に際しての飲食費は?
それらの祭事を実施することを主たる目的とする一連の行為の一つとして実施されるものであり、一連の行為に吸収される行為と考えられ、交際費に該当します。ただし企画した祭事の全てを終了し、解散後に一部得意先と飲食した場合は、小額交際費に当たります。

1人当り5千円を超えた場合でも、5千円以下の部分は交際費から除外できるか?
5千円を越えた部分だけが交際費に該当するのではなく、その費用の全てが交際費になります。

1人当り5千円以下の判定に当り、消費税の扱いは?
税込み経理方式適用法人は消費税も含めて判定し、税抜経理方式法人は消費税を除く金額で判定します。
 混同しやすい他の科目
接待交際費はその範囲が広いことから、広告宣伝費や福利厚生費、会議費、寄付金などと混同しがちです。これらの科目との区分を以下に整理しました。
広告宣伝費との区分
接待交際費は得意先などの「特定の人」を対象としますが、広告宣伝費は「不特定多数の人」を対象とします。したがって、得意先を解して多くの人に渡るカレンダーや手帳等は広告宣伝費で、同様に抽選によって一般の人をスポーツ観戦や旅行も広告宣伝費です。

福利厚生費との区分
社内行事に際して支出される次のような出費は福利厚生費となります。
  ・創立記念式典等で従業員に一律に供与される飲食代
  ・従業員の慰安旅行等の費用
  ・従業員やその親族に対する祝儀、香典などの費用


会議費との区別
取引先との打ち合わせや商談、社内外で行われる会議に供される茶菓代や弁当代は会議費になります。

寄付金との区別
政治団体などへの拠出金、神社の祭礼などの寄付金など、事業と直接関係しない者に対して送られる金銭は寄付金になります。

売上割戻しとの区別
売上割戻しとはいわゆるリベートのことで、税法では「金銭で割戻す費用は交際費に該当しませんが、金銭の代わりに旅行招待や物品(おおむね3千円以下の小額物品を除く)を送った場合は接待交際費になります。
以上